偽の友(1)~オランダ語brutaalと英語brutal

2015-08-01

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 今日から毎日、オランダ語にまつわる話題を取り上げていきたいと思います。

 オランダ語と英語は共通の祖先を持つ、親せき関係にある言葉です。ですから同じ語源で意味もほとんど同じ単語がたくさんあります。オランダ語のland(土地)と英語のland、オランダ語のgras(草)と英語のgrass、オランダ語のmaken(作る)と英語のmakeなど、あげればきりがありません。ところが、形は似ているのに、意味にずれがある言葉も少なくないのです。こういった単語はフランス語でfaux ami(フォザミ、偽の友)と呼ばれますが、誤解や誤訳のもとになりますので、注意が必要です。

 例えば、brutaalはどういう意味だと思いますか。勘が鋭い人ならば、英語のbrutalと形が似ているので、「残忍な」という意味ではないかと推測することでしょう。ところが、オランダ語にはそういう意味はありません。「ふさわしくないことをあえて言ったり、したりする」人を形容する場合に用いられ、蘭和辞典では「生意気な、ずうずうしい」などの訳語が当てられています。
 Hou je brutale mond . ik ben erg boos op je . (生意気な口を閉じていろ。おれはおまえのことで、はらわたが煮えくりかえってるんだ。)
 どちらもラテン語またはフランス語の「けもののような」という言葉が語源ですが、使われているうちに意味に分岐が生じたのでしょう。

 
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hiroshi

Author:hiroshi
久保谷洋(くぼたに・ひろし)
ジャーナリスト、翻訳家。
元朝日新聞東京社会部記者、元朝日学生新聞社出版担当。タイトルはブログを始めたときの肩書きが「出版担当の役員」だったときにつけたものです。ある程度定着しているので出版担当をやめた後も、そのままにしています。2016年4月~外務省研修所非常勤講師(オランダ語担当)。

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