オランダ語の多義語~aannemen

2015-09-02

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 また、オランダ語の小説に出てきた表現です。
 高校生の女の子が行方不明になりました。警察が捜査に乗り出し、同じクラスの生徒を一人ずつ呼び出して事情を聞く場面です。エリザベットが取り調べにあてられた教室に入ると、刑事が次のように話しかけます。

 Ik neem aan dat je weet waarom we hier zijn.

 ik=私は(英I)、neem aan=分離動詞で元の形(不定形)はaannemen、dat=英語that、je=君は(英you)、weet=を知っている(英know)、waarom=英why、we=私たちが(英we)、hier=ここに(英here)、zijn=いる(英be,are)

 aanmeneは多義語の一つです。最も基本的な語義は(1)(物)を受け取るですが、辞書を見るとこのほかに(2)と推定する(3)(人)を雇う;メンバーとして受け入れる(4)(伝言)をあずかる――など様々な意味が掲げられています。一見すると、なぜ意味がこのように枝分かれするのか、不審に思われるかもしれません。しかし、語の成り立ちを考えると、容易に納得できるでしょう。

 aannemenはaan+nemenに分解できます。
 aanはもともと「~に」の意味の前置詞(英語のtoやonに相当)で行為の対象や密着・接触した状態を表します。nemenは「を取る」(英語のtake)の意味です。(1)や(4)は「物やメッセージを自分の方に近づけて密着させる」→「を受け取る」「を預かる」、(2)は「ある事実認識を自分の方に近づけて密着させる」→「と認める」「と推定する」(4)は「人を自分の方に近づけて密着させる」→「を雇う」「をメンバーとする」と考えると、理解しやすいと思います。

 さて、最初の文ですが、ここでは第2の語義「と推定する」の意味で使われています。英語に直訳すると、I suppose that you know why we are here.ですね。「私たちがここに来ている理由はわかっているね」という意味です。
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テーマ : 外国語学習
ジャンル : 学校・教育

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hiroshi

Author:hiroshi
久保谷洋(くぼたに・ひろし)
ジャーナリスト、翻訳家。
元朝日新聞東京社会部記者、元朝日学生新聞社出版担当。タイトルはブログを始めたときの肩書きが「出版担当の役員」だったときにつけたものです。ある程度定着しているので出版担当をやめた後も、そのままにしています。2016年4月~外務省研修所非常勤講師(オランダ語担当)。

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