オランダ語文法~関係代名詞(1)

2016-09-13

関係代名詞とは
 2つの文を結びつける役目をする代名詞を、関係代名詞と言います。日本語でも「これはバッグです」「私はそれを昨日買いました」という2つの文を、「これは私が昨日買ったバッグです」のように1つの文にすることができますね。オランダ語では、このような場合、英語やフランス語、ドイツ語などと同じように、関係代名詞を使います。

2つの文を連結する手順~英語での例
 オランダ語の関係代名詞の使い方は、英語の関係代名詞とよく似ていますから、まず皆さんがよく知っている英語で関係代名詞の機能を確認しておきます。
 第1文This is the bag.(これはそのバッグです) と 第2文I bought it yesterday.(私はそれを昨日買いました)を1つの文章にするには、

(1)2つの文で共通する語を見つける→第1文のthe bagと第2文のit
(2)2つの文のうち、どちらが修飾語になるか決める→「これは私が昨日買ったバッグです」としたいのだから、「私が昨日買った」がバッグを修飾することになる
(3)修飾語になる文の中の共通する語を関係代名詞に置き換える→I bought which yesterday.
(4)関係代名詞を節の前に出して2文を連結する→This is the bag which I bougt yesterday.

という手順をとります。

 できあがった文の中で、whichは2つの文を連結する接続詞の役割と、後の文の中でboughtの目的語となる代名詞の役割を果たしています。最初に2つの文を結びつける役目をする代名詞を関係代名詞だと言いましたが、接続詞と代名詞の両方の機能を持つ語を関係代名詞というと言い換えることもできますね。
 先の説明の便宜のために、ここで文法用語を2つほど覚えてください。関係代名詞によって導かれる節(ここではwhich I bought yesterday)を関係節、関係節によって修飾される語(ここではbag)を先行詞と言います。
 英語では先行詞が人か物かによって、関係代名詞を使い分けるのでした。中学校で習ったはずです。
 人の場合はwho、物の場合はwhcihを使うのでしたね(話が複雑になるのでthatについては説明を省きます)。上の文ではbagが物なので、whichを使ったわけです。人の場合には、たとえばI have a friend who likes music.(私には音楽が好きな友達がいる)のようになります。

オランダ語では
 前置きが長くなってしまいました。本題に入りましょう。「これは私が昨日買ったバッグです」をオランダ語では、

 Dit is de tas die ik gisteren heb gekocht.

といいます。英文と比べてみてください。オランダ語の関係代名詞の用法が英語と異なるのは、関係代名詞の選択の仕方と関係節中の語順の2点です。

 第1に英語では先行詞が人か物かで使用する関係代名詞をかえますが、オランダ語にはそのような区別はありません。オランダ語では、先行詞がdeがつく名詞のときに関係代名詞dieを、先行詞がhetがつく名詞のときに関係代名詞datを用います。通性名詞はdeがつきますので当然、dieを用いますが、中性名詞でも複数形の場合はdeがつきますので、この場合も関係代名詞はdieになります。従って、datが使われるのは先行詞が中性名詞の単数形の場合だけということになります。
 例文では先行詞であるtasが通性名詞なので、関係代名詞としてdieが用いられています。

先行詞の性数と関係代名詞の関係

        単数    複数
通性名詞    die      die
中性名詞    dat      die


 ちなみに、このルールはもし定冠詞をつけるとすればdeがつくか、hetがつくか、による区別であって、先行詞に実際にdeやhetがついているかどうかとは無関係です。先行詞に不定冠詞eenがついている場合や、先行詞が無冠詞の場合もあります。そのときは、もし定冠詞をつけるとすれば、deがつくかhetがつくかを考えて、dieかdatかを選択してください。
 先に示した手順に即して言うと、英語では(3)のところで先行詞が人か物かを考えますが、オランダ語では先行詞がdeがつく名詞か、hetがつく名詞か考えることになります。

 第2に英語では関係代名詞を先行詞の直後に移すだけで関係節の他の語の語順は変わりませんが、オランダ語では関係節の中の動詞や助動詞が節の末尾に移動します。関係節も従属節の一種なので、従属節中の動詞成分が節の末尾に移るという一般的なルールに従うことになるのです。このため、オランダ語では手順(4)で動詞成分を末尾に移す作業が必要になります。例文でも動詞成分heb gekochtが末尾に置かれています。

オランダ語で関係代名詞を使って2つの文を1つにする手順を整理すると以下のようになります。

 (1)2つの文で共通する語を見つける。
 (2)2つの文のうち、どちらが修飾語になるか決める。
 (3)修飾語になる文の中の共通する語を関係代名詞に置き換える。この際、先行詞がdeがつく名詞のときに
関係代名詞dieを、先行詞がhetがつく名詞のときに関係代名詞datを用いる。
 (4)関係代名詞を節の前に出して2文を連結するとともに、関係節の動詞成分を末尾に移動する。

 例文はDit is de tas.とI heb hem gisteren gekocht.という2つの文を関係代名詞で連結したものです。(1)から(4)の手順に沿って連結の仕方を再確認すると、(1)共通する語はtasとhemです(2)英語の場合と同じく第2文が修飾語になります(3)先行詞のtasはdeがつく名詞なので、第2文のhemをdieに変えます→I heb die gisteren gekocht.(4)関係代名詞dieを前に出して第1文と連結するとともに、関係節の動詞成分を末尾に移動させます→Dit is de tas die ik gisteren heb gekocht. 口語では末尾をgekocht hebとすることも可能です。

 ちなみに、英語では目的格の関係代名詞は省略できることになっており、むしろそうする方が普通でさえあります。

This is the bag I bougt yesterday.

 しかし、オランダ語では関係代名詞を省くことはできません。

 それでは、今日はここまで。
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プロフィール

hiroshi

Author:hiroshi
久保谷洋(くぼたに・ひろし)
ジャーナリスト、翻訳家。
元朝日新聞東京社会部記者、元朝日学生新聞社出版担当。タイトルはブログを始めたときの肩書きが「出版担当の役員」だったときにつけたものです。ある程度定着しているので出版担当をやめた後も、そのままにしています。2016年4月~外務省研修所非常勤講師(オランダ語担当)。

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