彼はプールに泳ぎに行きました~オランダ語でwezenを使う場合

2017-04-17

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 オランダ語の受講生から以下のような質問を受けました。

 オランダ人の友だちが Hij is in het zwembad wezen zwemmen. と言った。前後関係から考えて「彼はプールに泳ぎに行った」という意味らしいが、はっきりしなかったので紙に書いてもらったら、上記のような文だった。そのオランダ人に、「このwezenという語は何なの?」と尋ねたが、オランダ人曰く「ややこしいので、ぼくには説明できない。日本人の先生にオランダ語を習っているのなら、その人に聞きなさい」といわれた。

 なるほど。この文は初級の人にはわかりにくいかもしれませんね。結論から言うと、この wezen はzijn の異形で、意味はzijnと同じですが、基本的にこの構文でしか用いられません。

 さて、上記の文を理解するには、まず、zijn+動詞の不定形(英語でいう動詞の原形)が「~しに出かけている」という一種の熟語的な表現であることを知っていなければなりません。

 清水誠先生の「ゼロから話せるオランダ語」(三修社)のP72に次のような例文が載っています。
 Ze is even koffie halen. 彼女はちょっとコーヒーを取りに行っています。

 受講生が質問した文は完了過去形(英語の現在完了形)ですが、これを現在形に戻すと、
Hij is in het zwembad zwemmen. 彼はプールに泳ぎに行っている
となりますから、Ze is even koffie halen.と同じく、zijn+動詞の不定形の構文であることがわかるはずです。

 さて、次にHij is in het zwembad zwemmen.を完了過去形にして、「彼はプールに泳ぎに行きました」という意味にするにはどうしたらよいか、考えます。
 この文の場合、zijnの変化形であるisを完了過去にするわけですが、zijn動詞を完了過去にするときは助動詞にhebbenではなくて、zijnを使うのでした。しかも、この文にはisとzwemmenの2つの動詞がありますので、こういう場合、オランダ語では過去分詞形を使わないで2つの動詞のいずれも不定形(原形)にして文末に移動させるルールになっています。従って、これらのルールを機械的に適用すると、
 *Hij is in het zwembad zijn zwemmen. となるなずです。
しかし、このように2つの動詞不定形が連続する場合、zijnの代わりにwezenが用いられます。
 従って、冒頭の質問あった文、Hij is in het zwembad wezen zwemmen.という文章になるのです。
 いくつかのルールが適用されるので、ちょっとわかりにくいかもしれませんが、一度納得できればそんなに難しい文章ではありません。

 ちなみに、wezenは現在では基本的に上記の構文でしか用いられませんが、zijnの命令形weesや、過去分詞形geweestは形から見てこのwezenの形から派生したものです。
 


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プロフィール

hiroshi

Author:hiroshi
久保谷洋(くぼたに・ひろし)
ジャーナリスト、翻訳家。
元朝日新聞東京社会部記者、元朝日学生新聞社出版担当。タイトルはブログを始めたときの肩書きが「出版担当の役員」だったときにつけたものです。ある程度定着しているので出版担当をやめた後も、そのままにしています。2016年4月~外務省研修所非常勤講師(オランダ語担当)。

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