ヒド・ファン・ヘネヒテンのらくがき絵本

2010-12-07

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 さて、最初の話題ですが、オランダ語の絵本2冊を翻訳して、勤務先の朝日学生新聞社から出版しました。

→朝日学生新聞社出版部のサイト

 1冊目はベルギーの人気作家、ヒド・ファン・ヘネヒテン(Guido van Genechten)のおえかき絵本「ヒドさんの じゆうにたのしく おえかきしようよ」です。→PDFで中身の一部を見る

 ファン・ヘネヒテンは、たれ耳ウサギの「リッキ」シリーズで有名ですし、今年に入ってからも野坂悦子さんの訳で「パパ、おばけがいるよ」が出版されているので、ご存じの方も多いでしょう。

 今年7月の東京国際ブックフェアでベルギーの出版社・クラビスのブースを訪れたときのこと。表紙に落書きのような自画像が描かれたこの本に手を伸ばしたところ、たまたま隣にいた若い女性も同じ本に目をつけたらしく、二人で1冊の本を引っ張りっこする形になりました。それが縁で、その方といっしょに中身を見たのですが、これがなかなか楽しい。
 若い女性は国立教育政策研究所の美術が専門の方で「これはおもしろいわね」とおっしゃる。早速、フランス著作権事務所を通じて版権を取得しました。

 この分野では、五味太郎さんの「らくがき絵本」があります。私も五味さんの本は大好きでたくさんもっていますが、ファン・ヘネヒテンの本は、それとはまた違った独特の味わいがある。

 たとえば「827こ、点をうちなさい」とか「いたずら好きのバナナをかきなさい」とか、どこまで本気かわからないような課題もところどころに入っているのですが、どういう意味だろうと色々考えているうちに、頭の中で想像が膨らんでくる。そういう不思議な力があるんですね。

 出版を決意したもう一つの理由は、五味さんの「らくがき絵本」はすばらしいのですが、ちょっと高い。税込みで2,345円です。朝日学生新聞社は「よい本をなるべく安く」がモットーですから、1,500円くらいで出せたら、みんなに喜んでもらえるのでは、と大それたことを考えたわけです。

 翻訳は、出版担当役員の私が自ら担当し、組版はふだん新聞を制作しているオペレーター(松本菜月さん)にお願いしました。私たち朝日学生新聞社は小さな会社ですが、小さな会社だからこその利点があります。それは小回りがきくことです。

 組み版の機械もソフトも、翻訳者もオペレーターもすべてそろっていますから、余分な費用は一銭もかからない。編集者の西村朋代さんを司令塔にして、「こうやったらいいじゃないか」「いや、ああすべきだ」などとワイワイ、ガヤガヤ楽しく話し合っているうちに、あっという間に本ができてしまいました。

 その結果、定価を税込み1,470円に抑えることができました。経費はぎりぎりまで削り込みましたが、できばえは悪くない。原著の香りをかなり正確に伝えていると思います。

 どの本を選ぶかは、もちろんみなさん次第です。クリスマスやお正月のプレゼントにらくがき絵本、お絵かき帳のジャンルの本をお求めになる際、ぜひ候補の一つに加えてやってください。

(続く)
うれしいブログをみつけました。

まったり日記
http://marukuroom.blog51.fc2.com/

4月に年中になるコッコさんに「ヒドさんの じゆうにたのしく おえかきしようよ!」、大変気に入っていただけたようです。ありがとうございます。
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テーマ : 本に関すること
ジャンル : 本・雑誌

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プロフィール

hiroshi

Author:hiroshi
久保谷洋(くぼたに・ひろし)
ジャーナリスト、翻訳家。
元朝日新聞東京社会部記者、元朝日学生新聞社出版担当。タイトルはブログを始めたときの肩書きが「出版担当の役員」だったときにつけたものです。ある程度定着しているので出版担当をやめた後も、そのままにしています。2016年4月~外務省研修所非常勤講師(オランダ語担当)。

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