ショック、日蘭学会が解散!

2011-12-28

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 2011年の仕事納めの日、財団法人日蘭学会(東京都中央区銀座1丁目)からの封書を何気なく開くと、「解散」の文字が躍っていました。

 手紙は12月26日付で、冒頭は「拝啓、すでにご承知のように、当日蘭学会は、11月12日の評議員会、理事会において、財政上の問題から、解散と決まりました」となっており、オランダ語講座も修了するので、続けて勉強したい人は早稲田大エクステンションセンターに行ってほしい旨、述べられています。「すでにご承知のように」とありますが、私にとっては寝耳に水でした。

 私はいまから13年前、42歳の時、オランダ語の習得を決意し、通算して2年ほど日蘭学会の講習会に通いました。スタッパート先生やシスカ先生、フェルコフ先生に文法や発音の手ほどきを受けました。日蘭学会がなければ、私がオランダ語の書籍を翻訳する仕事に就くこともなかったでしょう。

 今思えば、前兆はありました。訳書を寄贈し、「図書室に入れます」と礼状が送られては来ましたが、なかなか登録されませんでした。おかしいなとは思いつつ、「事務が停滞しているのかな」程度に軽く考えていました。

 学会誌や通信なども廃止されるのでしょうね。日蘭関係、オランダ研究をすすめている研究者は貴重な発表の場を失ってしまうのでしょうか。オランダ語の図書も――いろいろ制限があって使いやすい図書館ではありませんでしたが――日蘭学会が一番充実していました。あの本はどこにいってしまうのでしょうか。特定の大学に行ってしまうと、閲覧が難しくなりますね。

 監督官庁の外務省のデータを見ると、理事長の土本武司・筑波大学名誉教授や2人の常務理事も含めて全員が非常勤となっています。一般論ですが、こういう団体の場合、事務局がよほどしっかりしていないと、ダメになってしまいますね。

 理由は「財政上の問題から」となっていますが、身の丈にあった形に縮小しても、オランダ研究のナショナルセンターとしての機能を維持することはできなかったのでしょうか。大変残念です。

 解散に至った事情をご存じの方があったら、教えてください。

 

 
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臺 由子さんのコメント

HPがなくなっていて・・・

江戸時代の蘭和辞典について調べているので、
学会HPに行きたかったのですが・・・
なくなっていました。

解散だったのですね。

今の日本では、オランダ語はマイナーな言語ですが、
江戸時代は世界へ向けられた玄関だと思っています。
(私自身は、フランス語を習っています)

蔵書や学会の活動記録、アーカイブズの散逸が心配です。

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hiroshiさんのコメント

Re: HPがなくなっていて・・・

> 江戸時代の蘭和辞典について調べているので、
> 学会HPに行きたかったのですが・・・
> なくなっていました。

本当に残念です。

> 今の日本では、オランダ語はマイナーな言語ですが、
> 江戸時代は世界へ向けられた玄関だと思っています。
> (私自身は、フランス語を習っています)
>
> 蔵書や学会の活動記録、アーカイブズの散逸が心配です。

伝聞ですが、図書などは長崎大学に移管されると聞いています。

hiroshiさんのコメント

Re: 日蘭学会

> 詳細は分かりませんが、ライデン大学からの資金援助がなくなったからだそうです。
> 図書はまとめて長崎大学に寄贈されるそうです。

そのようですね。
ライデン大学は新しく東京事務所を開設しました。

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プロフィール

hiroshi

Author:hiroshi
久保谷洋(くぼたに・ひろし)
ジャーナリスト、翻訳家。
元朝日新聞東京社会部記者、元朝日学生新聞社出版担当。タイトルはブログを始めたときの肩書きが「出版担当の役員」だったときにつけたものです。ある程度定着しているので出版担当をやめた後も、そのままにしています。2016年4月~外務省研修所非常勤講師(オランダ語担当)。

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